vendredi 09 février 2007 15:04

大長編・くもり川あめみの夢

バタバタとロッカールームへ駆け込む。
みんなが慌ただしく次の授業の準備をして、教室へ向かう。
わたしは、鍵をまわして引き抜くのが、スッとできなかった。
他のみんなとたった数秒の誤差で教室へ駆け込む。ちょうど起立をしたところだった。
混ざって起立する。机の上にはちゃんと、数学のテキストが用意してある。
でも、この数秒の誤差が先生に目をつけられるのには十分だってことは、すぐにわかった。

ここは、高校時代の教室である。

着席。「☁ฺ川、ちょっと来い」
案の定、わたしだけが教卓の前に立たされた。
「どうして遅れた?」
「鍵をかけるのに手間取ったからです(わたしはいつも正直)」
先生は中年で、しなびた青い背広。嘱託の教師だ。たぶん中学の頃、お世話になった先生だ。けして嫌な思い出はないはずなんだけど…。
先生は続けてあーだこーだ説教していた。内容は覚えてない。
学生の頃はいつもこうだった。人の話は基本、聞いてない。意識的にではないんだけどね。
このときは説教より、説教されている自分がクラスのみんなにどう映っているか、そっちの方が気になってた(この中にいるんだぜ、さめっこさん)。

「もういい、席に着け」
馬の耳に念仏とでも思ったのか、先生はわたしを解放して席に向かわせた。
あー小波でよかった、と思ったわたしの目前に、再び先生が現れ背中を向ける。
プリントを配っていた。が、配りながら、何とわたしにとおせんぼしているのだ!
ンキーッ! なんてイヤミな、なんて幼稚な仕打ち! 仮にも教師のくせに低レベルなことを…伊佐坂先生みたいな顔のくせに!
イライラしたわたしは、窓際のロッカーのドアがきちんと閉まりきっていなかったのを横目にみつけると、それを口実に後ろ足で蹴った。
「☁ฺ川さん、モノに当たらないでください!」
A木くんがいじわるそうに早口で言った。やべ、A木くんのロッカーだったか?

A木くんは、高校で3年間同じクラスだった人だ。小柄で、頭の回転が早く、なかなか食えない男だ。
わたしはオフィシャルには、A木くんが好きだということにしていた。A木くんがいることを理由に、学校へ通っていた。そのくらいしないと、もはや学校に行くことはできなくなっていたから。
「あ、いまA木くんが○○した」「わ、いまA木くんが△△した」などと騒ぐことで(同じクラスだからさんざん見てるくせに)、片思いっぽいことがしたかったのだ。
何せ、A木くんがマユタンと付き合い始めたときなど、ショックで3日も休んだくらい…。

でも本当のところは当然、好きでも何でもなかった(何でA木くんに白羽の矢が立ったのか、理由も覚えてない)。
「好きとか嫌いとかどーでもいい」の境地に達した頃だったし。そしてそれは、当のA木くん本人も知っていた。
「つーか、男いるんでしょ」そう言われた。
ほらね、A木くんは食えない男なのだ。わたしの安い演技などは、すべてお見通しだった。
ショックで3日休んだのは事実だけれど、それも「うわーこれから何を心の支えに学校に行けばいいのー?」と悩んだのが1日くらいで、あとの2日はズルズルと「ちょうどいいから、ついでに休んじゃお」と思ったからだった。
とっても心配してくれて、お手紙をくれた友達もいたけれど(アナログ世代)。
いま明かそう。あれは単なるズル休みでした。家で受験ベンキョしてました。

そんな背景があったので、A木くんがわたしを快く思っていなかったのは明らかだ。実際にはいじわるされたことはない(と思う)けど、そんな思い出が今ここでいじわるなA木くんとして登場したらしい。
ざわつく教室内。A木くんはわたしを睨みつけている。
「ロッカーのドアが閉まっていなかったので、閉めただけです(わたしはいつも正直)」
何か言いかけたA木くんの顔を見てわたしは、「でも」と先制パンチを食らわして、一気にたたみかけるように喋り倒した。
詳しい内容は、これまた覚えてない。ただ最後に、言い返せず悔しそうに口をモゴモゴさせるA木くんに、
「この場合、何がいけなかったでしょうか? 何が問題だったでしょうか?」
と詰め寄り、先生に
「もういい。A木、そんな応答もできないようじゃ、数学の世界ではやってけないぞ」
と仲裁されていた(A木くんはリアル理系)。

こんな理屈っぽい話し方ができるのは、今のわたしだ。当時のわたしは理屈っぽい思考ができても、ベシャリはまったくダメだった。たぶんこの状況なら、興奮して泣くのがオチ。
よかった、今の自分の感覚がなければ負けてた…!
つーかA木くん、何故に学ラン!? 学ランは中学の制服だったはずだが…。
あ、よく見たらわたしもグレーのベストとスカートはいてる! 高校の夏服用に作ったけど、あんまり着る機会なかったやつなのに…。
夢ってめちゃくちゃだなー。そもそもうちの高校、こんな緊張感まったくなかったしな。遅刻くらいで怒られるわけないし、教室がこんなに静かなわけもない。

んじゃ、夢の続きに戻る。

ところが今度は、先生からの迎撃があった。
黒板に数式が書かれている。因数分解の難しいやつだ(たぶん)。
前フリで何人かを当てて、予測通り彼らが答えられないと、次にわたしを指名してきた。ほんっと、イヤミなやり方だ…当たらないように、一生懸命ノートとってるフリしてたのに。
黒板の問題を見上げる。頑張って考えればわからなくもないような…。
だが今度は残念なことに、感覚は31歳ニンプのわたしなのだ。現役時ならまだしも、今は自信がない。自信がないことを自信なくやって、オロオロする自分をさらすのはダメージがでかい。

立ち上がって、わたしは言った。
「わかりません(わたしはいつも正直)」
先生は苛立った顔をして、急に大声を出した。
「いいから、前へ出ろ! 出ろ、☂ฺみ!☂ฺみ!」
…むっっっか〜〜〜〜〜! 何で下の名前で呼び捨てにされなきゃいけないわけっ!?
非常に腹を立てたわたしが、31歳ニンプの牙を剥こうとした瞬間。

目が覚めた。5時すぎだった。
くぅっそぉ〜、言いたいこといっぱいあったのにぃぃぃ〜!!
「できないことはやりたくありません、わたしは文系なので今この問題1問ができることに特にメリットを感じられません、ていうか名前呼び捨てにしないでください、教師だからって越権じゃないですか? この問題を解くことと先生が名前を呼び捨てにすることの明確な関係を説明してください」
ボサボサの頭で天井に向かって、懸命に(屁理屈を)吠えるシミュレーションをした。


---
非常に不愉快な夢であった。
起きたときは興奮して動悸がしていた。
わたしは、名前を呼ばれるのが大嫌い。親族以外に呼ばれたことないし、そもそも呼ばせないし。

このシーンに至るまでにも、今日の夢はまだまだ話があった。大長編だ。現在に至るまでの友人知人総出演だ。

最初は、車だった。
だいちゃんが運転してた。うちの車かな? このへんは、願望だな。
「あなた、一番小さいんだから前(助手席)に乗りなさいよ」
だいちゃんがオネエ言葉で言った。
「わたし、ちっちゃくないよ。今おっきいよ」
助手席には髪の長い女の人が乗ってた。ひろみさん?
車は満席だった。わたしは後部座席にいた。隣りにいたのは、よしくんか?
下り坂を勢いよく飛んだので、思わず何かにしがみつきながら耐えた。よく見たら、マルボロライトのカートンだった。誰のだ?

いつの間に車を降りたのか、川沿いを歩いてた。わたしの知ってる川と言えばもちろん、多摩川だ。
バスケ部友達同士でダラダラ、おしゃべりしながらのらりくらりと歩いてる。
あと、ウェンツがいたな。ウェンツ。瑛士ね。
「ウェンツはー、どっちかってゆーと、季節のフルーツ盛りって感じだよね。ね、地中海風サラダっていうよりは、フルーツ盛りだよねぇ?」
そう聞くと、Gンちゃんは「そうだね」と、うつむき加減に笑った。
もっとこうドカーンと笑ってもらえないと、苦しいんですが…ていうか、その例えの意味もわからんが、メニューがキャバクラ風なのは何故だ。

橋のところで、地下街へ通じていた。このへん一帯の地下は続いているようだ。
「何食べよっか」
階段を下りながら、AさちゃんとOと話してる。
古びた売店があった。「ここで何か買って行こうよ」
わたしは駄菓子をいくつか選んだ。だいちゃんのぶんはー、まぁいいや、と思った。あと、豚のマークのレモンジュースを買った。
買い物を終えて、地上へ上がる。大きなショッピングセンターとその向かいにまで、浅瀬が続いていた。
浅瀬には、ドイツのジャンボウサギみたいなのがいっぱい生えてた。かわいかった。
かわいいけども、何もジャブジャブ中に入って行かなくても…仕方なくみんなの後を追って、水の中に入った。ジーンズがびしょびしょで気持ち悪い。

向かいの建物で、また別の友達たちと合流した。
Tコがいた。中学の同級生。
「この間、Tコのお母さんに出張所で会ったよ」と言うと、
「あー、そうらしいね」
あまりいい顔されなかった。久々に会うのに、母親の話題じゃつまんなかったか。
「あそこの出張所さー、キレイになったよねー。待ってる間に、いろいろできるのがいいよね」
「まあねー」
15年以上ぶりに会った友人は、地元の役所の新出張所の話題にはあまり乗り気じゃなかった。確かに、31歳ニンプレベルの話題だが…ちぇ。

さっき買ってきた食料やお菓子をつまみながら、女子同士でわいわいとおしゃべりが始まる。小学校、中学校、高校、今に至るまでの、女子友達。
「聞いてよー、わたしのエプロン作り秘話をー!」
わたしの投下したネタは大当たりだった。実際、よくこういう自虐ネタを披露していたなぁ(エプロン作り秘話ってのは、たぶん小学校の家庭科で展覧会に出品したときのネタだと思う、どんな秘話があったんか知らんが)。

みんなお腹を抱えて笑っていた。わたしも、楽しくてしょうがなかった。そんなときだった。
チャイムが鳴った。
みんな一斉にその場を片付けて、ロッカールームへ走って行った。
そして冒頭の場面に至る、というわけ。

そうそう、いつもこうなんだよなー。ついさっきまで、みんなで大声でおしゃべりしてたのに。
チャイムが鳴ると、みんなは上手いことやる。いきなりよそゆき顔で着席しちゃえる。
わたしは切り替えがヘタで、だからいつもわたしだけ、怒られる羽目になる。
要領悪いって、まさにこういうことよねー。


目が覚めきるまで空に向かって吠えた後、ふとベッドの上を見た。
HI360100.jpg
ぎゃはは、ズゾンが爆睡してるのをいいことに、ラちゃんがお尻あっためてるよ!
ラちゃん、おはよー!
HI360101.jpg
にゃんだよー。
HI360102.jpg
まぶしいんだよー。
(つうか、ズゾンの寝相ったら…犬か、ほんとに?)

これが、31歳ニンプのわたしの日常でした。
うん、やっぱり今の方がいいな。学校はこりごりだー。

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