lundi 05 février 2007 19:12

BJの中のニンプたち・4/小さな悪魔/激流/霧

うわっはー!
また分娩時の夢を見たんだけど、なんと鉗子分娩だったよ!
鉗子突っ込まれちゃったよ、冷たくてこわかったー!

夢の中ではよく、産まれた子供に「わたしのこと、好きなの?」って聞いてることが多い。
たいていは好意的な目としぐさをしてもらえて、嬉しいような、でもやっぱり不思議なような気持ちになってます。
自分で産んだからって、子供ってその母親を自然と好きになるものなんだろうか。
でも、ズゾンやララァちゃんはわたしが産んだわけじゃないけど、好かれてるなーっていうのは伝わってくるよね。
うーん、じゃぁやっぱり産むか産まないかよりも、その後の接し方ってことかな?
産んだからって、無条件に好かれるわけじゃないのかなー。

などと、相変わらずずれたとこばかり気になっている月曜日。
本日より、34週目に突入です。


ほいでは、BJの中のニンプたちシリーズを完結させます。
---
文庫版14巻収録「小さな悪魔」
エディプス・コンプレックスをベースにしたお話ですが、注目はママの症状。妊娠5ヶ月で異常妊娠、胞状奇胎です。
しかも大変悪性なもので、流産させてみたものの、奇胎が変化してガンに似た腫瘍になりかかっており、子宮全摘までに至る一番最悪のケースです。

漫画の中でも小さな悪魔自身が「あ、あ、あのツブツブなーに、パパ」と言ってますが、子宮から掻きだした元・赤ちゃんだったものは、胎盤になるはずの毛が膨らんで吸い取ってしまって、ころころとした胞状になってしまっています。
胞状奇胎のリンク先で実際に見られますが…人間になりそこねると、こんな風になってしまうのかと衝撃的です。
こういったものを見ると逆に、健康的に成長を遂げ、無事にこの世に産まれ出てくるということが、とても奇跡的なことなんだと思えます。
大事にせねばのー。

以前、妊娠初期にちょっと触れましたが…漫画で読むとそれこそ漫画チックな病気にも思えますが、実際にはそれほど珍しいことでもないようですね。
それが、こんな心ないことをわざわざ言う人も世の中にはいるようで…わたしはもーこういうのが性格的に許せないので、非常にムキーとなったものです。
日常の中にある悪意、これが一番怖いです。
幼な子は天使かもしれないけど、産む方の母親まで神々しいなんてことは、必ずしも言えないものなのですね。

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文庫版14巻収録「激流」
渡し守のおかみさんは、子供が17人。そしてお腹の中には18人目が待機中。
陣痛を逃してくれたBJに、お礼代わりにイカダ船で川を渡してやることにしたおかみさん。
ところが鉄砲水のせいで流され、漂着する羽目に…頭を打ち、心音が弱るおかみさん。
子宮出血か胎盤早期剥離か、その場で帝王切開に踏み切ったBJ。やはり胎盤がはがれており、出てきた赤ちゃんはチアノーゼを起こし、息もしていない。
しかしBJの人工呼吸でかろうじて蘇生し、赤ちゃんは元気よく泣き出す。

この後、BJの制止もきかずに泳いで助けを求めに行ったおかみさんは、力つきて川下に死体となって流されるのです…でも、その死に顔はとてもいい顔だったそうです。
わたしはこのお話の中で、大好きなセリフがあります。
BJに「そんなにかわいいかい」と聞かれて、赤ちゃんを抱きながら「食っちまいたいくらいだス」と答えるおかみさん。
食っちまいたいくらいだス…おかみさんの愛情がこれほど伝わってくるセリフはないと思います。
わたしもこんな風に子供を愛せたらいいなと、いつも思うのです。

「何人産もうとおらの子だ。かわいさは変わんねえス」と言って、涙したおかみさん。
たった今、お腹を切って縫ったばかりなのに、「その子さえ助かりゃおらなんてどうなったって平気だス」と言い切り、泳いで行ったおかみさん。
はっきり言ってしまうと、田舎の貧しい育ちならでは、の人です。
今でも発展途上国の農村部などに多い、「子供が多ければ働き手が増えるので助かる」という発想は、逆に家計を圧迫し、子供一人頭への十分な義務を果たすことが難しいのは明白です。
それに、たった一人の子のために自分を犠牲にするのは、他の子たちへの責任を果たせないことも意味します。
でも、こんなに子供のことを愛してるお母さん、お金も学もないけれど、愛情だけは絶えることなく溢れ出しているお母さん。
こういう母親が、神々しい存在だとは思えないでしょうか?
わたしにとってはぜひ見習いたい、強く、立派なお母さんなのです。

でも、おかみさんに見習いたくないところが、たった一つだけあります。
おかみさんはものすごい巨体で、帝王切開する際にBJも思わず「すげえ脂肪の層だ! こんなに切りにくい腹もめずらしいな」と感心してしまうほど。
わたしもすっかり太りすぎて、産道にも相当お肉がついてるんじゃなかろーか…産むのが大変らしいし、出血も多くなると脅されているので、何とかしたいんだけど…あんまりもう時間ないけど、とにかくお散歩頑張るしかないです…。
でもおかみさんの豊かな体型は、その愛情の豊穣さの象徴のような気もしますね。

---
これで、BJシリーズの中に出てきたニンプさんは、すべて紹介することができました。
最後にこのお話に、少しだけ触れさせてください。

文庫版15巻収録「霧」
美江という娘。
「けがはなおせるでしょうけどね。でもね、あたしの生まれつきの病気まではなおせないわよ、絶対に! 治療しても重くなるばっかりよ」
「高校か…あこがれたこともあったわ…でも例の病気がたたって入学して一か月で退学…(中略)仲間は少年院いき、あたしは病気のために執行ゆうよ…入院そして脱走!」
「たいして重い病状じゃないよ、なおそうと思えばなおるこった」BJが言う。
「アッハ…重くないって? 死ねばサバサバするわ。あたし人生にもうミレンないの(中略)あたしひとりきりになりたかったのよ。だれにも知られずに死ねるものね、ここなら」

憎まれ口ばかり叩くこの女の子、この子とわたしは同じ病気です。
「十二のときにいきなりあばれて近所の子のカミの毛をむしりとったそうよ。残忍なことが平気でやれるのよ」
そう彼女は言い、珍しく献身的なBJに対し、厭世的なことばかり言うのです。

この子の絶望と孤独が、痛いほどわかります。
死ぬのは平気なくせに、霧の夜がこわい。そうそう、そうだね。
でもわたしと彼女の違うところは、わたしはBJが言うように「死後の世界はこんなもんじゃない。光も音も景色もなーんにもないんだぞ」ということを、知ってしまっていること。
だから、この子のように”意識的に”死のうとすることはないと思います。

へらず口ばかりきく美江、でもBJには「まだほんの子どもなんだな」とバレています。
最後には親が自分を捨てたことを知り、愕然とする美江。
涙を流しBJに心を開いてゆきますが、しかしすでに手遅れ…脳血腫で視力も失いながら、死んでゆくのです…。

珍しくBJが懸命に励ましているだけでなく、小さな恋の発生にも似たお話です。
文庫版7巻収録の「灰色の館」の最後で、「医者は人の体を直せても、ゆがんだ心の底までは直せん」と言うBJですが、このお話ばかりは、BJが美江のゆがんだ心をまっすぐにしてくれたと言っていいと思います。
ただ、残念ながら美江の病気は心ではなく頭、脳のものなのですが…それでもこの窮地を乗り切ってBJの手術を受け、その後続けて主治医になってもらえていたら、彼女はどんな風に変わることができただろう、と思います。

願わくば、彼女のように若い未来ある人間が、病気なんかに振り回されることがない日が来ますように。
折しも、大杉君枝アナの自殺があったばかりの昨今。
自分も含め、切にそう願ってやみません。

Comments [5]

Billie Fletcher jeudi 22 novembre 2007 07:01 PM
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Chris Williams jeudi 29 novembre 2007 01:48 PM
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