vendredi 26 janvier 2007 22:45

BJの中のニンプたち・2/寄胎/赤ちゃんのバラード/白葉さま/二人三脚

そういえば、安定期に入るまではやはり不安が大きかったのか、マイナスなことばっかり考えてたんだよなー。ま、マイナス思考は今に始まった話じゃないけど。
お腹の中をエコーで見たら頭からいっぱい線が出てる人なんじゃないか、とか、「実はもう殻になってたらどうする?」とだいちゃんに聞いて、「よくもまぁ、毎度そんなにマイナスなことばかり考えられるね」と呆れられたりしていたっけ。
安定期に入っちゃうと、あんまりにも安定な日々で、暇で、悪夢から予知夢を見るように変わったように、いつのまにか妊娠に対してもマイナスな考えはあまり持たなくなっていたなー。
そして後期に入った今が一番体が辛くて、もう一日も早く産んじゃいたいと、そればっかりを願う毎日です。

ということで、わたしの初期の不安「実はもう殻になってたら…」
当時の記録でも引用したけれど、今日はこれについてもうちょっと詳しく触れてみます。


---
ブラック・ジャック文庫版8巻収録「寄胎」
旅館の女中・タケちゃんは妊娠6ヶ月。重いお腹を抱えながら忙しく働いている。
周囲に心配される中、倒れるタケちゃん。実は彼女は、前にも6ヶ月で流産していたのだった。
たまたま旅館に泊まっていたブラック・ジャックに診てもらうタケちゃん。
妊娠反応は正常、なのにレントゲンに写った胎児はミイラ化? いや、まるで石の塊のようになっている。もちろん、心音も聞こえない。
では、胎児はすでに死んでいるのか? それなら、妊娠反応はなくなるはず。それに胎盤も無事なのだ。

この不可解な症状を調べるため、ブラック・ジャックはオペで胎内を見てみることにする。
子宮を開けてみると、完全に石化した胎児が出てきた。これが生きてるとは到底考えられない。
しかし、よく見ると胎盤はしっかりついており、へその緒が石の中に入っている。
もしや、石の中は空洞で、胎児が石の殻に包まれているのでは…?
麻酔を続けながらゆっくり石を割ってみるブラック・ジャック。もし大出血したら、母子共に助からない…。
慎重に石の殻を砕くと、そこには妊娠6ヶ月の立派な胎児がいた。
この殻を取らずに胎児が大きくなったら、いずれ殻いっぱいに膨れて死んでしまうところだったのだ。

麻酔が覚め、不安そうに「赤ちゃんは…?」と聞くタケちゃんに、救急病院の医師は答える。
「安心なさい、スクスクと育ってます。4ヶ月経ったらちゃんと生まれますよ」
喜びでむせび泣くタケちゃんだった。
---

この症状は、羊膜の異常だと漫画の中では説明されています。
「人間も動物の一種です。だから鳥や爬虫類のように卵の殻に包まれた赤ん坊があったっておかしくはない」
ブラック・ジャックはこう言っています。
このお話の場合は結果的に助かったのでよかったけど、実際こういうことがあるかどうかは別として、羊膜の異常ということであれば誰にでも可能性はあるわけだろうから、まぁ不安にはなりましたねー。
6ヶ月でも流産てするものなんだー、とも思ったし(安定期に入ったら気を抜いていいもんだと思ってた)。
ただわたしの場合、マイナス思考がひどすぎて常に先走った不安を感じてたので、逆に毎回の検診でことごとく不安を覆されて、拍子抜けするくらいだったけど。
いや、でもやっぱり健康が一番だよね!


その他、妊娠とは直接関係ないけど、ついでにご紹介したいお話2点。
---
文庫版3巻収録「赤ちゃんのバラード」
不良少女マギーの手下がOLをカツアゲしてコインロッカーのキーを手に入れたら、そのロッカーの中には赤ちゃんが入っていた…というお話。
実はお金持ちの娘だが、親に相手にされず寂しいマギーが、献身的に赤ちゃんの世話をする。
その赤ちゃんは生まれてから日光に当たらず、新鮮な空気にも巡りあえず、食べ物もろくにもらえなかったため、ひどいクル病の状態。足も背骨も曲がっているのだ…。

このお話を読み返したとき、ちょうど夕方のニュースで、コインロッカーの中に子猫が入れられていた、という話をやってました。
ロッカーの管理者はひどく怒って、キーの持ち主に連絡をくれるように書き置きして、子猫は事務所で預かっていました。
何日か後にキーの持ち主の友人、と称する女性が現れたんだけど…
「自分は荷物を取ってきて欲しいと頼まれただけ、しかしキーの入ったバッグを盗まれてなかなか連絡が取れなかった。本人は旅行に行っている。まさか猫が入ってるとは思わなかった」
と、話すばかりでした。
管理者が「旅行に行くお金があるのに、ペットホテルに預けるお金はないの?」と聞くと、その友人だという女性は、「さぁ…前にもロッカーに預けて旅行したことがあるって言ってました」とのこと。
結局、「本人に連絡させます」と言い残して女性は猫を連れて去っていきました。
でももちろん、その後連絡が来ることはなかったようです…。

ブラック・ジャックの方に話を戻すと、このお話の初出は1974年。
コインロッカー乳児遺棄事件をモチーフに村上龍が「コインロッカー・ベイビーズ」を書いたのが、1980年。
わたし自身も乳児だった頃の話なのでさすがに詳しいことはわからないけど、当時そんなにこの手の事件って多かったんでしょうか?
それが、30年経った今でも猫を入れる輩がいる…ましてや、昔に比べて経済的に困窮した上で、という訳でもないだろうに。
本当に、モラルを問いたい話だよね。子猫は暗いロッカーの中で、えんえんと鳴き続けていたらしいよ…。

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文庫版9巻収録「白葉さま」
イカサマ女教祖の白葉さまは、あちこちでタタリと称し、いい加減な祈祷をして金をくすねている。
ブラック・ジャックは「魚鱗癬という難しい皮膚病の子供を治せなければ白葉さまに土下座して医者をやめる、だが治せれば、白葉さまが稼いだ祈祷料をいただく」という賭をすることになる。
奇跡的にブラック・ジャックのオペで子供は治り、その事実を知って驚愕し涙する白葉さま。
彼女はある雨の日にブラック・ジャックの泊まる宿へ出向き、泣きながら「先生みてください、先生なら治せます」と懇願する。
ブラック・ジャックの膝にすがる彼女、その袖口からチラリと見える腕は、あの子供と同じひどい皮膚病に冒されていた…。

つまり、白葉さまは自分の病気を治せない医者を恨んで、インチキな教祖になりさがってしまった悲しい女性でした。
で、その魚鱗癬という病気が、この年末にニュースになりました。
魚鱗癬:うろこ状の皮膚…差別被害も 難病指定、家族会が訴え−−「理解広めたい」

これを見ると、遺伝性の疾患なのですね。この梅本遼くんという子は九州からはるばるKO病院まで来て、遺伝子検査もしたようです。
検査や治療のできる施設がこんなに限定されてるっていうのも世知辛い話ですが、いまだ特定疾患(難病)に指定されてないっていうのも驚きです。
いくらでもお金がかかるだろうからね、少しでも公費で何とかしてあげてほしいです。

「白葉さま」の初出が1974年なのに、やはり30年以上も旧態依然だったんだろうか。
でも、漫画の中では「原因はわからず、根本的に治す方法はない」とされていて、ブラック・ジャックは何と死んだ子供の皮膚を全移植する、という方法で治したので、それに比べると遺伝性疾患である、ということがわかっただけでも進歩なんでしょうか。
ただ、やはり皮膚病とあって目立つ症状なので、偏見や差別は相当根強いと思います。
こういうニュースが正しい理解につながることを、切に願います。

---
最後にオマケのオマケ。
文庫版9巻に「二人三脚」というお話があります。
詳しくはリンク先を参照していただくことにしますが、わたしはブラック・ジャック全篇の中で、ダントツでこのお話が大好きです。
親子の情みたいなもんがキモいとか平気でのたまうわたしですが、なぜかこのお話だけは、素直に感動して泣けちゃうんだよねー。
たった20Pで、余計なものいっさいなしで描き切れてるのがいいんだと思います。
このお話の完成度を考えると、他の漫画はどうにも冗長な気がしてしまうことも多いです。
「昭吾、人生は一人じゃない。二人三きゃくで歩ら●(書き損じ)ねばならんこともある…」
こんな説教臭いこと実際に言われたら腹立つと思うけど、なぜかこの頼りない字だと泣けるんだよなー。

9巻は他にも感動的なお話が多いよね。
「目撃者」の最後の、「さよなら、光さん」も名言だよね。くー、泣ける。

Comments [4]

Mario Weiss mercredi 21 novembre 2007 06:36 AM
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Ronald Ball dimanche 16 décembre 2007 12:16 AM
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マテルニテ・マテリアリゼ
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