vendredi 05 novembre 2004 18:13
天才
catégorie: 万年思春期的思想
もちろん、彼より多才な人間は世界中にいくらでもいる。
だから、彼を天才とは思わない人間だっている。
だけどわたしにとって彼は特別な存在なのだ。
だって、彼はわたしの頭の中に描くもの、
描きそうなものまでを、
わたし自身にだってわからない、わたしの中にあるものを、
体現、あるいは言語化している。
その点だけでも、彼はわたしにとっては、やはり天才である。
天才の域を超え、大いなる兄や父として、神のレベルに至るまで尊敬してやまない。
一方、うちの夫。
彼もまた同じように、日本の誇る最高学府の一つで勉学を修めた。
IQもずば抜けて高いし、博識でもある。
そしてこれが重要なことなのだが、彼自身が自分を天才だと思っている。
わたしも、彼の才能には絶大な信頼をしているし、
日常生活の中でふと思いつく素朴な疑問を、
毎度毎度、科学的根拠に基づいた説明をしてもらえる生活環境というのは、
そうそうあるもんではないからして、
「ちょっと得したな」と自慢げにすら思える。
でも、うちの夫は、もう少し人間くさい天才なのよね。
何でも知ってるかと思えば、驚くほど何も知らないことも多い。
特に彼が無知なのは美的なものに対してなのだけど、
彼に言わせれば、「そんなもん知らなくても生きていける」なのだ。
わたしは先述の天才の彼をとても尊敬してやまないけど、
実際にはもう少し砕けた、「自称天才」と楽しく毎日を過ごしている。
ちょっと病気な点を抜けば凡人の中の凡人であるわたしとは、
お似合いなんだと思う。
お互いに知らないことを、教え合えるのだからね。
ところが、この二人の天才に共通しているものは、
驚異的な大食漢であるところだ。
天才を保つにはエネルギーが人の倍いるのね…。
うちの天才のほうは、だんだん体型がやばくなってきてるけど。
で、この二人の天才を尊敬しつつ秤にかけるわたしは、
いやになるくらい無知で無能だ。
トイレの便座カバーをつけるのと、シーツ交換だけは
どうしてもできないもーん。
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